河瀬義昭 なりきりおしゃれ番長!!!!!

結局、「まとめサイト」は仕事に役立つか? 

東洋経済オンライン 12月9日(月)8時0分配信

  日頃、経営者の方々と話をしていて、「改革」という言葉をよく聞くようになりました。アベノミクスで景気が回復したと言われても、これからも会社が生き残るためには、そうとうハードな手を打たなければならない……という認識があるからなのでしょう。先日、対談した流通業の経営者は、

 「わが社は販路の改革、社員の意識改革、時間管理に関する改革など、改革すべきことが山積みです」

 と語っていました。ちなみに、その会社は業界でも最大手クラス。それでも改革すべきことが山積みとは驚きでした。

 そんな、会社の改革のひとつ、「人事・組織の改革」を検討する企業が増えています。長く低迷していた企業が再浮上するためには、賃金・評価といった人事労務制度の見直しと、従業員の意識・組織風土の改革という両面から対応する必要がある――。そう感じている経営者が多いからでしょう。当方も、日頃の人事コンサルティング業務で、組織改革の相談を頻繁に受けるようになりました。さらに

 「そもそも、うちの会社の社員たちは、どんな価値観を持って働いているのだろうか?  われわれ経営陣とはそうとうなギャップがあるのだろうか? 」

 と質問を受けることがよくあります。それだけ、現場の社員が何を考えているのか、わからない状態になっているからでしょう。

■ どの世代も重視していた「情報収集」

 そんな質問に対して、参考になる報告が発表されました。日本能率協会が実施した働き方に関する意識調査です。この調査によると、年代や性別などによって違いの大きいことが明らかになっています。

 たとえば、現在の勤務先に対して愛着があるか? という問いに対して、「感じている」と答えた比率は30代が最低。40代では約半分でした。また、女性は成功を支えるメンバーを8割が志向しており、リーダーになりたい人は2割程度と少数。男性に比べると、リーダー志向の人が非常に少ない状況でした。女性の管理職を増やしたいものの、なかなか実現しない会社の苦悩の背景が垣間見られる調査結果です。

そんな意識調査の中で、当方が特に注目したのは、仕事の能率を上げるために必要なことを聞いた設問。全年代の人が重視していたのは、情報収集についてでした。それだけビジネスパーソンにとって、情報収集は仕事の効率を高める重要なテーマと認識されているのでしょう。そこで、ここからは情報収集に関心が高い実情を掘り下げていきたいと思います。

■ 管理職までハマるまとめサイト

 今どきのビジネスパーソンは、どのようにして情報収集をしているのでしょうか。当方が特に注目するのは情報源です。以前であれば多くの人が新聞と回答したかもしれませんが、今はネット上などで情報が膨大に流通する時代。かなり、多様な経路(情報源)から情報収集をしているはず。そこで取材してみると、頻繁に耳にしたのがネット上のまとめサイトでした。

 「仕事から帰宅したら、まとめサイトで情報収集します」

 「移動中にスマホでまとめサイトを頻繁にみています」

 と答えているのは、若手社員だけではありません。中堅クラス、管理職でも増加しています。

 活用度の高さが際立つのは「NAVERまとめ」。あのLINEが提供するサービスです。特徴は、ユーザーが独自に情報収集した情報を「まとめて」ネット上に公開できること。さらにアクセス数に応じてユーザーが広告収入を得られる独自のシステムを展開。月間訪問者は1000万人を超えており、FacebookTwitterより勢いがあります。PCユーザーの「5人に1人が使っている」というくらい高い認知度があるようです(ニールセン調べ)。

 当方もNAVERまとめは使いますが、最近は「Gunosy(グノシー)」を利用。これは、ユーザーの興味に合わせて最新ニュースの通知までしてくれるサービスです。確かにこれは非常に便利です。ほかにも仕事で役立ちそうなまとめサイトは数多く存在します。こうしたサービスは

 《キュレーション型サービス》

 と呼ばれるジャンルのもの。キュレーションとは、IT用語としては、人手で情報やコンテンツを収集・整理し、それによって新たな価値や意味を付与して共有すること。ただ、語源はラテン語で「世話役」といった意味。ちなみにキュレーションする人をキュレーターと呼び、美術館の学芸員を指します。膨大な美術品のお世話をするから名付けられたのでしょう。そんなネット上のバーチャルキュレーターが、おまとめサイト=キュレーションサービスとも言えるのかもしれません。みなさんはまとめサイトで仕事に関する情報収集をしていますか? 

 

■ まとめサイト情報を、使いこなせていない? 

 「使い始めると便利なので、情報源はほぼまとめサイト」

 という人もいるくらい。ただ、そういって集めた情報は、仕事で生かされているのでしょうか?  取材したビジネスパーソンの大半は

 「まとめサイトの集めた情報を、仕事に生かした記憶はない」

 と回答しました。むしろ、仕事以外で友達と(LINE等で)会話するネタ程度なのが実情のよう。

 「収集した情報によると、鉄鋼業界も業績回復の基調が顕著になってきた様子。ここは果敢に設備投資すべきではないでしょうか? 」

 と会議で周囲を説得する材料にできれば画期的です。でも、そうはなっていない様子です。ちなみに最近のNAVERまとめで人気の「おまとめ」(ビジネス領域)をのぞいてみると……

 ・知らないだけで内定率下がる!  リクナビ、マイナビ以外の就活ナビサイト

 ・なぜか重いExcelファイルを軽くする方法10選

 といったテーマのページビューが高い様子です。会議での説得材料にまで生かせる材料は、なかなか見当たりません。とすると、おまとめサイトを見ても、仕事には役に立たないのか?  そんなことはありません。ここで、ひとつの提案をさせていただきます。もっと、手軽なビジネスコミュニケーション、たとえば

 《アイスブレーク》

 で使う「ネタ」の宝庫ではないでしょうか?  アイスブレークとは、お互いが打ち解けるために行うコミュニケーション。

 ・緊張した状態をときほぐす

 ・話しやすい雰囲気をつくる

 ために、打ち合わせなどの冒頭で行うものです。別名、雑談、世間話などとも呼ばれて、営業場面におけるお客様との信頼関係を構築するために、重要な武器として注目が高まっています。

 当方も『仕事の9割は世間話』という書籍で

 《営業は仕事の本題に入る前に3分間の世間話をするべし》

 と書きましたが、アイスブレークは社外だけでなく職場の同僚との会話でも重要であり、仕事で役立つ武器になります。たとえば、

 ・社内でも初対面の人との打ち合わせ

 ・上司が人事評価などで部下と会話する

 など、打ち解けることが必要な場面で有効になるでしょう。相手の顔を思い浮かべて、まとめサイトで収集した情報の中から、話題提供できるネタを探しましょう。

■ 世間話「3分間」の鉄則

 キーワードは、《相手に3分間話してもらうこと》。

 たとえば、上司が部下との面談の冒頭で

 「これからの時代“食える資格”を取得すべし……という記事がまとめサイトで話題になっていたけど、〇〇君は資格取得とか関心はあるのかい」

 と振ってみる。あるいは、社内で初対面の同僚と打ち合わせを始める前に「男の品格をアップさせるスーツ着こなし術……という記事をまとめサイトでみました。そこでは、スーツは自分の体に完璧にフィットしたものを選ぶべしと書かれていました。私はピンとこなかったのですが、スーツの着こなしとか意識しますか」

 と、仕事からそう遠くないテーマ(ネタ)で、相手に質問をぶつけてみましょう。3分くらい聞き役に徹して、ときには大きくうなずいたり、TVのキャスターがゲストの話を聞くときのようなイメージです。

 そうしたアイスブレークを経た後に本題に入ると、思いのほか、お互いが打ち解けて、仕事がスムーズにいくものです。情報収集で大事なことは、生かす工夫を考えること。もし、まとめサイトを頻繁に見るのであれば、仕事に役立つ情報に“変換”させてみてはどうでしょうか。

高城 幸司

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